京都の神社仏閣で個性的な節分祭が行われます。そして、この時期だけしか食べられない、節分にちなんだ限定のお菓子も有ります。【更新日】
京都の節分祭・節分会
節分は、季節の変わり目に邪気払いをするという意味で、立春、立夏、立秋、立冬の4回あります。
その中で新年を迎える立春の節分が、新年の前に邪気を払って福を呼び込むという事で、2月だけに節分祭が行われるようになったそうです。
昔から、季節の変わり目に病気になったり、気の病(精神的な疲労が酷くなって起こる病気)になりやすいので、心の中にある邪気を追い出すために「鬼は外」と叫んで豆を投げつけます。
個性的な節分祭をしている寺社をピックアップしてみました。
吉田神社の追儺式「鬼やらい」
吉田神社は平安京を守るための「表鬼門」として創建されました。(貞観元年・西暦859年)
吉田神社の節分祭は、室町時代から行われていて、京都では一番有名ではないでしょうか。
ここでは、クチナシ色の「御神札」(お札)は厄除けのご利益があるそうで、多くの人がこのお札を求めてお参りに来ます。クチナシ色は古くから魔除けの力が強いそうです。
吉田神社の節分祭は、非常に厳粛で荒々しくて、子供も泣き出すほどの迫力があります。他の節分祭とはイメージがかなり違うのではないでしょうか。
「鬼やらい」(鬼を追い払う)と呼ばれる追儺式(ついなしき)は見ものです。
たくさんの屋台と賑わい
大規模な節分祭なので、屋台も800店位出ますよ。
また、参拝者の楽しみの一つ「厄除け福豆」には抽選券が付いています。商社の協賛により、電化製品や旅行券、お酒など、毎年豪華な賞品が当るようですよ。
参考 節分祭 吉田神社 MAP 吉田神社アクセス情報壬生狂言「節分」
「表鬼門」の吉田神社に対して、京都(御所)の裏鬼門(南西)に位置する壬生寺は「新撰組ゆかりの寺」として知られています。
厄除・延命の寺として信仰されていて、「節分厄除大法会」は900年以上の歴史があります。
厄除け鬼払い壬生狂言「節分」
節分の前日2/2と当日2/3の二日間『壬生狂言 節分』が上演されます。ちなみに鑑賞料は節分の時は無料、春と秋は有料。
狂言は、午後1時2、3、4、5、6、7、8時ちょうどに繰り返し8回も上演されるので、見逃す心配はなさそうですね。
厄よけ開運「炮烙」
境内では炮烙(ほうらく)という素焼きのお皿のような物を求めることができます。
参詣者の名前・年齢などを墨で書いて奉納しますと、春・秋に行われる壬生狂言の「炮烙割」で割られます。
炮烙は舞台の上から落とされ粉々に。奉納した人の厄が落ち、その年の災いを免れて福徳を得るという信仰があります。
MAP 壬生寺 アクセス情報節分臨時バス
京都市バスでは2月2日と3日に「節分臨時バス」が運行されます。
- 吉田神社⇔壬生寺
- 京都駅 ⇔ 吉田神社
- 吉田神社のバス停名は「京大正門前」
紫式部ゆかりの廬山寺
このお寺は、紫式部の邸宅跡と言われていて、鬼退治の様子が見られる事で有名です。
「太鼓」と「ほら貝」が鳴り響く中で、赤鬼、緑鬼、黒鬼が舞台に出現、独特の動きをしながら、厄除け開運の修法を邪魔します。
この鬼たちは、赤鬼は貧欲を、緑鬼は憎悪を、黒鬼は愚痴を現しています。
追儺師が鬼退治
この3鬼を退治するために、追儺師(ついなし・鬼を追い払う人)が弓矢を東西南北中央に射ます。
その矢によって、打ちのめされた鬼が去ったところで、平和を願って蓬莱豆と福餅が撒かれるというユニークな節分祭が行われます。
鬼退治の様子など他の所ではなかなか見られないので、沢山の人が訪れます。
因みに、蓬莱豆は紅白になっていて、紅白両方を食べると6年も寿命が延びるとされています。福餅は開運出世すると言われています。
舞台を降りてきた鬼と一緒に記念撮影も出来るそうですよ。流行りの「SNS映え」を狙えそうです。
鬼のお加持(おかじ)
「鬼退治」が終わり、邪気を祓われた鬼でしょうか。白い色をした鬼が、お祓いをしてくれます。
参拝者が、体の悪いところ(肩こりとか)、頭がよくなりたい人は頭などを「宝剣」で触れてくれます。
参考 廬山寺の節分 詳細 MAP 廬山寺 アクセス情報縁起物の節分お菓子
京都のあちこちの神社仏閣で節分祭が行われますが、節分にまつわるお菓子も沢山販売されています。その中でも縁起の良いお菓子をご紹介。
福ハ内(ふくはうち)
200年超を誇る老舗「鶴屋吉信」の桃山菓子。「桃山」とは、白あんと卵黄を混ぜて焼いたお菓子の種類です。
この「福ハ内」は明治37年に作られ、「お多福豆」の形をしていて、招福の願いが込められています。
また、特製の木箱は「ます」の形ををしていて、こちらは ”ますます繁盛するように” との願いが込められていて、大変縁起の良いお菓子です。
富岡鉄斎(てっさい)も称賛
画家として有名な富岡鉄斎(1837年 – 1924年)「このうまき 大多福豆(おたふくまめ)を めしたまへ よはひをますは 受合申す」(美味と長寿を授かると賞賛)と、包み紙に書かれています。
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